ravideの食育=食表現『食育(保育)における「ねらい」とは』
今回は、保育における「ねらい」と「提案」の考え方、そして実際の活動「きのこの品種食べ比べ」を通して見えてくる、子どもの育ちの広がりについてご紹介します。

■ 保育における「ねらい」とは?
保育の「ねらい」は、子どもの遊びや生活、営みや表現を広げ、深め、発達を促すための方向性です。これは単なる目標や評価基準ではありません。
重要なのは、ねらいを持つことが子どもの姿を“規定する”ためではなく、子どもの動きを受けとめ、柔軟に応じるための準備になるということです。
● ねらいを考える際のポイント
- 複数のねらいを持つことが大切
- 子どもの動きに応じられる柔軟さを持つために、ねらいを「出し尽くして」おくこと
- すべての子の思いに寄り添うことは難しくても、ねらいがあることで提案が磨かれ、そこから活動の広がりが生まれる
ねらいとは、大人が環境をデザインし、見せ方・関わり方・話し方・問い掛け方などの提案を工夫するときの“立ち位置”だと考えます。子どもの様子に応じて、いつでも柔軟に位置どりを変化させ、視点を変えていくものであり、子どもたちがの探究心や創造性を発揮するのをした支えしていくためのものです。

■ 保育における「提案」とは?
保育における「遊び」は、自己選択・自己決定によって、主体性・創造性・探究性・協働性を伴い、それそのものに価値があると同時に、子どもたちが本来的に持っているそれらの力にさらに磨きをかけ育んでいく営みです。
そして「提案」とは、子どもたちがそんな「遊び」へ向かい今持っている力を最大限発揮してすることで、それらの自らの力をさらに磨いていくことへ意欲的になれるよう、子どもが夢中になって遊び込み、遊び尽くせるような、魅力ある環境や材料、関わり方をデザインし、子どもの前に置いてみたり、子どもの姿に添えてみることです。
大人は子どもへ課題を与えるのではなく、子どもが自ら心と身体を動かしたくなるような「環境」をデザインすることに徹することが重要します。関わりはどこまでいっても「提案的」であること、ものごとの「魅力」から「誘いかける」ことが大切です。また、人的環境として、子どもにやってほしい、体験してほしいと思うことはまず、大人が十分に楽しんやって見せることが何よりも子どもへの良い影響力となります。それも「(人的)環境に徹すること」だと言えます。

■ 実践例:ravideの『きのこの品種食べ比べ』
例えば、きのこの品種を食べ比べる提案の中では、保育の5領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)に沿って多面的なねらいを設定しています。
【健康】
- きのこを美味しく味わう調理法に親しみ、味覚や食への関心を高める
- 調理や観察を通して、苦手な食材にもチャレンジする意欲を育てる
【人間関係】
- 友だちや保育者と一緒に、五感で食材を楽しみながら関わり合う
→触る・嗅ぐ・味わう・聞く・見るといった体験を共有
【環境】
- 旬の食材について知り、食と自然のつながりに関心を持つ
- 同じ食材でも調理法や品種で味わいが変わることを体験する
- 市場やスーパーなど食材が食卓へたどり着くまでの「食の背景」への関心を持つ
【言葉】
- 感じたこと・考えたこと・気づいたことを、自分の言葉で自由に表現し合うことを楽しむ
- きのこの名前や特徴を表す生きた言葉に触れ、言葉の面白さを味わう
【表現】
- 五感を通してきのこに親しみ、見立てや想像を交えて表現する
- 「自分の好き」をアンケート形式で可視化し、自分の好きを表現し分かち合う喜びを味わう
- 食を通した原体験をもとに粘土や絵の具、廃材等を用いて「造形表現」で表現する
■ 子どもの探究と創造を支える環境を
このような「ねらい」と「提案」は、大人が環境をつくるための視点や工夫の源になります。
大切なのは、これらが決して子どもを“枠にはめるためのもの”ではないということです。
子どもが「やってみたい」「もっと知りたい」と心を動かした瞬間に、大人がどう寄り添えるか。そのときに、子どもの思いや発想に寄り添い、柔軟に活動をリデザインしていくこと。そのために広く、深く「ねらい」を持ち、子どもの姿に応じた「提案」できる準備をしておくことが重要です。
子どもが育つ「教育的瞬間」はいつも「今」が大切なのです。

■ 最後に
「ねらい」は、子どもを“当てはめるもの”ではなく、大人が“磨くもの”。
「提案」は、子どもを“導くもの”ではなく、子どもの“興味関心に寄り添い、広げ、深めるもの”。
ravideはそんな思いを持って、食育=食表現に取り組み、磨き続けています。
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