対話から生まれるオリジナル食育『いわしの手捌き』※魚を捌く過程の写真あり
ravideでは連携園の「一員になること」、連携園の子どもたち・先生たちと「対話的に提案を考案すること」を大あ切にしています。詳しくは前回のブログをご覧ください。
○「子ども語り」から提案を検討する
ravideでは基本的に連携施設と月に一度会議の場を設けて、子どもたちの様子や、興味関心について共有し次の食育の内容を先生たちと一緒に検討することをしています。6月に行った『いわしの手捌き』の食育は、ある1人の男の子の興味から生まれました。その子は、アレルギーを持っており食事の好みに偏りがありました。食べられるものも限定的で食育への関心も薄かったのです。そんな彼が好きなものが「海の生き物」でした。いつも魚の描かれたTシャツを着てきて、『海の生き物図鑑』を開き、魚の絵を描いたり折り紙で魚を作ったりして遊んでいます。「魚のことは○○くんに聞いてみよう」と、子どもたちの間でも、海の生き物に関して一目置かれている存在になっていき、彼の様子から友だちへも「海の生き物」についての興味が広がっていったようです。



○「文脈」を大切にした提案
これまでのブログでも記していますが、ravideでは、私たちが考えたプログラムを一方的に提供することはしません。もちろん「旬の食材」を活かした提案を大切にしていますが、反対に「旬」という理由だけで提案することもできるだけしないようにしています。大切なのは提案における「文脈=ストーリー」です。6.7月の旬だけを考えればたくさんの食材が思い浮かびますが、旬というきっかけに子どもたちが今、抱いている興味関心を関連づけること、上記のエピソードと旬がかけ合わさって「いわしの手捌き」の提案をすることにしました。

○広く「食」への関心を持つこと
食育で大切なことは、食材に関する知識を得ることでも、嫌いな食材をなくすことでもありません。もちろんそれらも食育の一部分であり、否定される内容ではありませんが、それが目的になってしまっては本質を見失います。食育では子どもたち自身が、食材や調理方法、産地や食にまつわる自然社会との関係性など、さまざまなものごとへ広く関心を持ち、自ら探究したり、感じたこと思考したことを創造的に表現していくことが大切なのです。その結果として、子どもたち自身で、知識を獲得していくのであり、好きな食材を増やしていくのです。それらを大人が課すことはしません。今回のイワシの手捌きでも「観察するだけ」「捌くだけ」と言いつつ参加し始め、次第にイワシの不思議さ、自分で捌く面白さにに夢中になり、ふだんは魚をまったく食べない5歳児がおかわりをして食べていることがありました。
ちょうどお迎えにきたお母さんはびっくり。その子はお母さんに「イワシ買ってー」とせがむのでした(笑)おねだりするものがお菓子やファストフードではなく、旬のお魚だなんて最高じゃないですか!
そして、今回の提案のきっかけとなった男の子は、もちろん興味津々で食育へ参加していました。誰よりもじっくりと観察をし、おかわりをして味わっているのでした。その子が食育へここまで意欲的に参加したのは初めてのことでした。まずは「好きなもの」から、関心を深めることで、「食の楽しさ」に気づき、次の食育では魚の提案でなくても参加してみようという意欲につながっていきます。そういう意味でも、大人が何か子どもの課題解決のために食育をするのではなく、とにかく「保育の一環」「遊びの一つ」として食育をデザインしていくことが重要です。ravideでは各園ごとにオリジナルの食育=食表現を提案しています。それはravideの食育ではなく、そこに居る子どもたち、大人たちとつくる、その施設オリジナルの食育なのです!


ravideの食育=食表現の無料お試し、実践園の見学を随時受け付けています!興味を持たれた保護者さまがいましたら、お子様を預ける施設へお試しで伺うこともできます。ぜひお気軽にお問い合わせください。