名曲に学ぶ食育 Lucky Kilimanjaro『ペペロンチーノ』
ravideの「食育=食表現」の思考を見事に歌いあげている、名曲を参照しながら食育について考えていきたい。その名曲とは、「ラッキリ」の愛称で親しまれる、6人組のバンドLucky Kilimanjaro(ラッキーキリマンジャロ) の歌う『ペペロンチーノ』です。
「世界中の毎日をおどらせる」という思いからペペロンチーノをつくる様子を深い洞察を通しながら軽やかに歌い上げている。

「静かに燃やせよ炎
オレンジに焦げるにんにくを見よ
マッチベターがターゲット やるぜ俺は
アーリオオーリオ
ああしよこうしよって
アイデアの賞味期限は短い
思い切ってダブル もしやトラブル
からのブラボーだといいね」
炎を静かに燃やすという表現。火加減の強弱を、聴覚的な感覚で表現している。実際に火に親しんだことがなければ、この表現は生まれてこないし、受け取ることも難しい。
焦げるニンニクは何色なんだろう…焦げるで連想する色といえば「茶色」や「黒」が多いのではないでしょうか。しかしここではオレンジに焦げるにんにくを見よ、と。たしかに、薄く緑がかったオリーブオイルの中で、優しく火を通したにんにくはオレンジ色に見える気もする。
アイディアの賞味期限、料理をしている中で、常に変化し続けるフライパンの中と向き合う中で、浮かんでくるアイディアはすぐに実践しなければタイミングを逃してしまう。迷わず思い切って自分のアイディアを表現する。食を通して自己表現をする。
食の中に「アート思考」「アート体験」がある。
「バリラ No4でつくるオリジナル
適度な塩でボイル
新しいオリーブオイル
踊るような味を求めて
n周目の PDCA
究極の味を求めて
今日こそばっちり
「いただきます」」
どの食材、調味料を、どのように使うのか?茹で汁の塩加減はどうするのか?「究極の味」を求める、そのサイクルは、まさに「創造と探究のアート体験」。食の中に、日常の生活の中に、アート思考を持って向き合うことで、心躍り、楽しみは深まっていく。子どもたちは、そんな「遊び」から学んでいく。
「最高のペペロンチーノを作ろう
昨日より今日のやつが
マッチベターアンドベターアンドベターって思いたい
うまくいかなくてもいいよ作ろう
繰り返す挑戦で
トライアンドエラーアンドエラーアンドエラー」
与えられたものじゃない。思考し、感覚を働かせ、手を動かす。自分で選びとり、組み合わせ、つくりあげる。うまくいかなくてもよい。継続、連続する営みが、興味を深めていく。日々の生活に、食の中に「挑戦」する機会はたくさんある。
「『うまい』『まずい』で片付けられたらたまんないもっとたくさんの感情があるはずよねぇ
できたかできなかったかで結論づけられたら嫌だよ
酸いも甘いもそこにはあるはず
結果は次のプロセスへの光
その光は包み込むようにキッチンの中を照らすように
てな感じでネクストチャレンジ
塩辛い涙も過去に
踊り出す味を求めて
今日こそばっちり
『いただきます』」
「結果」以上に「過程」にこそ意味がある。いや継続する営みの中では、一時の結果も「過程」に過ぎない。だからこそ、いま、「うまくできること」「なんでも好き嫌いなく食べること」を求めるのではなく、広く「食」への興味関心を広げ、深めることが重要なのです。大人になった時に「健やかなおいしさ」を選び取れるように。
「いつでも最高のペペロンチーノを作ろう
昨日より今日のやつが
マッチベターアンドベターアンドベターって思いたい
うまくいかなくてもいいよ作ろう
繰り返す挑戦で
トライアンドエラーアンドエラーアンドエラー
アンドマッチベターベターベター
マッチベターベターベターベターベター」
食育を単発的なイベントにせず、継続、連続する営みへ。食が真に「生活」を彩り、健やかな日々をつくっていきますように。食生活が、創造、探究、挑戦、踊りのある人生を支えていくように。
ペペロンチーノを好きな食べ物に入れ替えて、日々の食生活を子どもたちと一緒に楽しんでみよう。料理なんて大それたものでなくていい。おにぎり、トースト、そうめん、シリアルと牛乳だって、創造性と探究心を持って向き合えば、いくらでも楽しみごとにできる。
おにぎりを作るなら、米の品種、塩の種類を選ぶところからやってみよう。近所のスーパーマーケットだって数種類は置いてある。お米を炊いてみよう、数や量に触れる機会になる。水加減はどうしよう?連続する取り組みの中で、季節の移り変わりで、米の品種によって、子どもたちは敏感に変化を感じ取るかもしれない。
トーストを焼くのだって、生の状態と、冷凍の状態で変わってくる。トースターの時間設定を自分でする、ジャムやバター何をどれくらい塗るのか、自分で決めてやってみる。ジャムへの興味が深まれば、ジャム作りが週末を彩る遊びになる。たくさんできたら、友だちに分けてみてもいい。親戚に売ってお小遣いを稼いだっていい。
そうめんはどうだ?近所のスーパーをよく見たら3〜10種類のそうめんが並んでいるはず。その全てを食べ比べたことがあるだろうか?そうめんと思って食べていた何かは、そうめんのたった一部でしかない。茹で時間の数秒、冷水での締め方で、つゆの温度でもかわる麺の味わい。
シリアルへ牛乳をどのタイミングで、どれくらい注ぐ?カリカリ派?しなしな派?牛乳を注ぐ時にこぼすのが心配なら、お風呂に牛乳パックとコップを置いておこう。飽きるまでお風呂場で遊び尽くしたら、自然にできるようになっている。
特別なことでなくていい。大人が当たり前にやってしまっていることを、子どもたちへ委ねてみよう。食を遊ぶ。人生の楽しみ方を知る。踊る毎日を過ごす。人生を楽しみつづける…
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