古典から学ぶ『ドイツ・イデオロギー「フォイエルバハについてのマルクス」』
前回のブログに引き続き、内山節さんの著書からravideの食育=食表現の考察を深めていこうと思います。今回より『内山節と読む世界と日本の古典50冊 出版:農山漁村文化協会』の中から特に刺激を受けた内容をこの後のブログで順に取りあげていきます。

先に述べておきたいのは、私は歴史に精通しているわけでも、哲学を深く学んでいるわけでもないこと。笑
とにかくこの本の中から心に刺さった言葉を、自分なりに咀嚼、解釈して、思考したことを表現してみることをしていきたい。そこに意義なんかない。この行為そのものが面白いからやる。という言い訳を並べて、専門的な知識を持たない自分にできる限りのバリアを張ってスタートを切りたいです。
『ドイツ・イデオロギー「フォイエルバハについてのマルクス」』の章にこんな内容がありました。
「哲学の課題はいろいろなものを解釈することではない。変革こそが哲学の課題である。なぜなら人間をつくりだしている社会を変革することによって、人間には自己変革がもたらされ、この社会変革と自己変革の一体をとおして、人間は心理を発見していくのだという徹底した実践主義がかつての青年たちの心をとらえていたのである」
「理論を学んで実践をするのではない。実践が介在するからこそみえてくる理論もある。
たとえば今日の資本主義について。それを解釈していただけでは何も変わらない。たとえ市場原理主義を批判し、経済成長主義は人間を幸せにしないと語ったところで、社会も、自分自身も 変わらないのである。この壁を打ち破るものも、ともに生きる経済をつくろうとする「革命的実践」である。この実践をとおして経済とはどうあらねばならないのかがわかってくる。その試行錯誤がそれにかかわる人間たちを変革させ、少しずつ経済のかたちを変えながら、経済とはどうあるべきなのかという真理を発見させるのである。
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人間の思考と行動は相互性のなかに成立するということである。だから哲学は「行為」とともに展開しなければならない。
単なる理論はものごとを解釈することに終わる。そこからは新しい思想は生まれない。実践=行為のなかから新しい思想は生まれるのだ。」
めちゃくちゃしびれますね〜。笑
私たちは資本主義とか社会主義とかの話をするつもりは一切ありません。ここで刺さったのは「実践主義的な姿勢」についてです。私たちravideの「食育=食表現」のはじまりは、コロナ禍での料理人と保育園の出会いからでした。はじめはおぼろげだった食育のあり方も、実践と振り返り、試行錯誤を繰り返す中で、理論が築かれていき、哲学が伴ってきました。決してはじめから「理論と哲学」があったわけではありませんでしたが、「志」だけはを持っていたと自負しています。夜更かしが苦手なはずなのに、食育の話は時間を忘れて夜通し話し込んでいました。「志ある対話」を繰り返してきたこと、なにより「子どもたちの姿・反応・育ち」が私たちの実践に「理論と哲学」を与えてくれました。
自分たちの力なんて信じるに足るものはなかったけれど、子どもたちの姿を信じて起業しました。
この実践を待っている子どもたちが日本中にもっともっといるはずだと…おかげさまで、少しずつ連携していただける施設が増え、保護者、保育者、大人たちの反応に触れる機会も増えていき、その大人たちの変化に触れてきました。それはまだまだ小さなものかもしれませんが、小さくてもまちがいなく「社会の一部」であり、社会の変化が生まれていることの実感でもあります。

エビデンスがないと動けないようでは、いつも二番煎じで、時代の後追いになってしまします。私たちは子どもたちと関わることで、子どもたちの未来に触れているのです。そうであればこそ、もちろん社会に溢れる情報は、全ての資料を「参考資料」にしながらも、エビデンスを追いかけるだけでなく、政府や大企業の思惑が見え隠れする何かに則って実践するのでもなく、「エビデンスをつくっていく実践」に挑戦し続けていくことが必要なのだと考えます。
ravideはこれからも、子どもたち、子育て家庭、教育現場、生産者さん、連携する全ての人たちと共に「実践=行為」から「理論と哲学」を生み出し、「楽しさ」と「美味しさ」から社会変革を誘う「思考」を生み出し続けます。
そして子どもたちにも、誰かの言うことからではなく、自分自身の原体験を基に抱いた「志」を大切にできる人に育ってほしいと願っています。私たちは食育=食表現を通して、偏食をなくすとか、栄養の知識を得るとかそんなこと以上に、そうした力を育んでいきたいと考えています。食育にはそんな可能性が秘めらています。「子どもが変われば大人が変わる」、子どもたちの表現の力を信じて…
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