料理人が教育現場に関わる理由『オープン保育のすすめ』
〜料理人とともに育ちあう場をつくる〜
子どもは、社会の中で育ちます。
それは、学校に通い始めてからの話ではありません。もっとずっと早く、幼いころから子どもは「社会」の一員です。そして、「子どもと子育て家庭にとって最も身近な社会——それが保育園」です。
私たち株式会社ravideは、保育園という日常の空間を「開かれた社会の入り口」として捉え、子どもの育ちを豊かにするための環境づくりに取り組んでいます。その考え方の核にあるのが、「オープン保育」という視点です。
クラスの垣根を越えて、「ともに育ちあう」保育を
オープン保育とは、子どもたちが自らの意思で環境を選び、関わり、学び合うことができるように設計された保育のあり方です。
「いつ、どこで、だれと、何をして、どのように過ごすのか」を子どもたち自身で自己決定する保育のあり方を『オープン保育』と考えています。
たとえば、年齢やクラスで仕切られた空間ではなく、異年齢の子どもたちが「大人の意図性の中ではなく」「自然に交わる」開かれた環境を用意すること。保育者も「教える人」ではなく、子どもとともに過ごし、学び合う存在としてその場にいます。
そのような空間では、子ども同士のつながりが豊かになり、興味関心、楽しみごとによって子ども集団が自然にできあがります。異年齢の集団はお互いの存在が双方の育ちにつながっており、時には年下から年上に何かを教えることもしながら「育ち合い」が自然に起こります。
地域とつながることが、子どもの世界をひらく
しかし、園内だけを開いても、真に「社会の中で育つ」ことにはなりません。
私たちは、保育園の外にある地域社会とつながることを、とても大切にしています。地域の人々と出会い、交わること。そのなかで子どもたちは、「自分の世界はここだけじゃない」と知り、多様な価値観や生き方と出会っていきます。
そもそも、子どもたちが社会の中で育っていくことを考えれば、一つの保育園だけで、保育士だけで、子どものすべての育ちを保障することはできません。だからこそ、保育者、保護者、そして地域の大人たちが、それぞれの立場から「育ちを支える役割」を引き受け合い「持ち寄る」ことが大切です。それを、社会の中でシェアドリーダーシップを発揮し合うことだと考えています。
「シェアドリーダーシップ」で育ちを支える社会へ
そのために、私たちは「シェアドリーダーシップ」という考え方を大切にしています。
シェアドリーダーシップとは、肩書や役割にとらわれず、それぞれの“好きなこと”“得意なこと”“関心のあること”から、良い影響力を発揮し合うことです。
これは、保育者や保護者だけに限った話ではありません。たとえば、料理人が保育園に関わることも、そのひとつのかたちです。社会全体が、一人一人のシェアドリーダーシップを発揮しやすい環境になっていくことで、人生を楽しみ続けられる人が増えていくと考えています。そんな人に育っていくきっかけとして、食育に取り組んでいます。
料理人が保育園に入る意味
ravideでは、実際に料理人が保育園に入り、子どもたちと食育の様々な提案を通じて交わります。食材、調理科学、食とアートなど、「食」という身近なものごとを通じて、多様な体験をします。子どもたちは「食」に関する興味関心を多様な視点から広げ、深めていくことで、普段口にしている食材や料理の背景や楽しさ、つくる人とのつながりを体感します。
また、料理人は食の専門家であると同時に、子どもや保護者、保育者とフラットに関わる“社会の一員”でもあります。このような関係性が、園内外に開かれた「オープンな保育の場」をつくり出していくのです。
私たちだけで考案したプログラムを一方通行的に行うことはしません。必ず先生たちとの話し合いの場を設けて、提案する内容を一緒に考えます。実践の中では、子どもたちと対話的に活動を営んでいきます。子どもの興味の動きに応じた食材の見せ方、扱い方、調理の間の持ち方や、子どもが体験する内容のデザインは、料理人としての知識と技術だけでなく、保育者と意見交換をして協働できること、何より子どもの気持ちの動きに寄り添えるからこできる提案です。

生産者さんと連携して「子どもが社会で育つこと」をデザインする
子どもは一人で育つのではなく、子ども集団や周りの大人、社会との「関係性」の中で育ちます。だからこそ、保育園も、家庭も、地域も、それぞれの場所で子どもと関わるすべての人が、自分なりのリーダーシップを発揮できる場であってほしい——そう願っています。
ravideでは日常的に料理人が保育園と連携するだけでなく、産直で食材を届けてくれる、生産者さんとつながる機会もつくっています。その大きな取り組みの一つが「農家のKT」さんと連携して取り組んでいる園内に田んぼを作る『ベベライス』の提案です!ベベライスに関する詳細はこちらから。

ravideは、そんなオープンで楽しみが続いていく社会の実現を、まずは幼児教育の現場から、食育を通じて提案しています。今だけravideの食育=食表現を1回、無料で試すことができます!実践園の見学も随時受け付けています!ぜひお気軽にお問い合わせください。